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気取らないゴルフ的:フォルクスワーゲンID.3 反発意見も多い:テスラ・モデル3 カッコだけじゃない:ルノー・メガーヌ E-テック お手頃EV 12台比較(3)

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気取らないゴルフ的:フォルクスワーゲンID.3 反発意見も多い:テスラ・モデル3 カッコだけじゃない:ルノー・メガーヌ E-テック お手頃EV 12台比較(3)

7位:フォルクスワーゲンID.3 気取らないゴルフのよう

フォルクスワーゲンは、お手頃なハッチバック、ID.3を他社よりいち早く発売。半世紀前のゴルフのように、電動化時代にも成功を掴むのではないかと期待されていた。

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ところが、2020年には一定の販売数を稼ぎ出したID.3ながら、以降の支持は低迷。ソフトウェアの不具合がイメージを悪化させ、新市場を牽引できなかった。

同クラスのゴルフより、英国価格は1万ポンド(約189万円)も高かった。直感的とはいえないインフォテインメント・システムや、価格に見合わないインテリアも、ユーザーの共感を遠のけた。

そんな状況を打開すべく、2023年にID.3はフェイスリフト。フロント回りをリフレッシュし、シンプルな2グレード体系へ改め、インテリアの質感を向上させた。安価な中国製モデルの競争力も、相応に高められていたのだが。

ID.3は、多くの面で改善されている。インテリアの印象は良くなった。信頼性も高いようだ。58kWhの駆動用バッテリーから、428kmと充分な航続距離も得ている。77kWhにすれば、558kmを走れる。

エントリーグレードのID.3は、気取らないゴルフのように心地良く親しみやすい。車内は開放的で、居心地が良い。製造品質は全般的に高い。唯一、インフォテインメント・システムがお茶を濁す。それでも、基本的な操作は難しくない。

ステアリングやペダルの反応、乗り心地は、MG 4 EVより水準が上。当然ともいえるが、価格差を納得させる洗練度にある。イチオシというわけではないものの、好印象を与えるフォルクスワーゲンだ。

6位:テスラ・モデル3 効率に優れた電動サルーン

テスラ・モデル3は、予想ほど順位を伸ばさなかった。トップ3へ選んだ審査員は3名いたものの、残りの3名が同じ印象を抱いたわけではなかった。

とはいえ、モデル3は電費効率に優れたバッテリーEVだ。現実的に、1kWh当たり6.4kmを走れるモデルは、このクラスに存在しないといっていい。回生ブレーキが、驚くほど有能なことが功を奏している。

57.5kWhと比較的小さな駆動用バッテリーで、ライバル以上といえる511kmの航続距離が主張されることにも、それが現れている。車内空間は広く、急速充電能力も高い。車重が軽めに収まっているおかげで、操縦性や動力性能でもアドバンテージを持つ。

シートは座り心地が良く、ドライビングポジションも良好。多彩な標準装備も強みだろう。背の高いSUVではなく、トラディショナルなサルーンなのも良い。モデル3の実力は低くない。

しかし、ユーザーインターフェイスへ強く反発する意見が多かった。ウインカーは、レバーではなくステアリングホイール上のボタンで操作する。当初は少し過剰反応では?と思ったが、実際に運転してみたら、その意見へ同意せずにいられなかった。

扱いにくいウインカー・ボタン

このウインカー・ボタンは、静電気によるタッチセンサー・タイプ。ステアリングホイールを切ると一緒に回るため、手元を見ずにウインカーを出すことが難しい。スイッチの正しい場所を押さない限り、点灯することもない。

ロータリー交差点や、緩やかなカーブでの車線変更時には、どうしてもウインカーの操作へ気が取られてしまう。正解のインターフェイスとはいえないだろう。

ワイパーやクルーズコントロールの操作、ドアミラーの角度調整などはタッチモニターを介するが、それも理想的ではない。危険を感じることはなかったが。

また雨天などでカメラのレンズが汚れると、パーキングセンサーが機能しなくなってしまう。そんな日は、視界が悪くなりがちなのだが。

英国では4万ポンド(約756万円)を切る価格から提供されているが、ホイールとインテリアを自分好みにし、ホワイト以外の塗装を指定すると、4万3890ポンド(約829万円)と予算オーバー。今回の基準で選ぶなら、ベースグレードで素の状態に限られる。

5位:ルノー・メガーヌ E-テック・エレクトリック 目を引く容姿だけじゃない

バッテリーEVへのシフトが始まって以来、クルマのスタイリングは大きく変化した。駐車場でルノー・メガーヌ E-テック・エレクトリックを目にした時、強くそう感じた。ボルボEX30を見た時のように。

メガーヌ E-テックは初見ではないが、今回の12台の中では、特に存在感が強かったといっていい。審査員の多くは、運転体験も称賛していた。長めに運転する機会があった筆者も、見た目だけではない、有能なバッテリーEVだと確信することができた。

最も際立つのが、ロードマナー。スポーティなハッチバックではないが、乗り心地はしなやかで快適。長距離移動でその特長が輝く。

見た目重視といえそうな、20インチのアルミホイールを履いていても、サスペンションは路面の凹凸を巧みに均す。車内へ伝わるロードノイズは最小限。風切り音も小さい。

インテリアのレイアウトも、しっかり考えられている。実際に押せるハードボタンは少ないものの、驚くほどではない。環境への配慮から、ステアリングホイールには合成皮革が、シートやダッシュボードにはクロスが用いられているが、適度な高級感もある。

インフォテインメント用とメーター用、2面のモニターは、スマートな雰囲気を生んでいる。グラフィックも美しい。

ベーシックで良くできた欧州車

上位4台へ食い込めなかった理由は、電費効率と航続距離。カタログ値は悪くないものの、現実的な数字は5.3km/kWhとライバルを超えることはない。60kWhの駆動用バッテリーで走れる距離は、320km程度に留まってしまう。

車内空間も、リアシート側の広さでやや劣る。ID.3から乗り換えると、明らかに狭いと感じるだろう。

とはいえ、いくつかの弱点を備えていても、強みがそれを充分に補う。スタイリッシュな見た目に、しなやかな乗り心地。知的なデザインのインテリア。実用性も低くはなく、価格に見合った価値がある。

メガーヌ E-テック・エレクトリックは、ベーシックで良くできた欧州車らしい仕上がりにある。

フォルクスワーゲンID.3とテスラ・モデル3、ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックのスペック

フォルクスワーゲンID.3 58KWH プロ(英国仕様)

英国価格:3万7115ポンド(約701万円)
全長:4261mm
全幅:1809mm
全高:1562mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.9秒
航続距離:428km
電費:6.9km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1740kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:58.0kWh(実容量)
急速充電能力:85kW(DC)
最高出力:203ps
最大トルク:31.6kg-m
ギアボックス:シングルスピード(後輪駆動)

テスラ・モデル3 RWD(英国仕様)

英国価格:3万9990ポンド(約740万円)
全長:4694mm
全幅:1850mm
全高:1443mm
最高速度:201km/h
0-100km/h加速:6.1秒
航続距離:511km
電費:7.5km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1765kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:57.5kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:283ps
最大トルク:42.7kg-m(予想)
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリック EV60 テクノ+(英国仕様)

英国価格:3万6439ポンド(約689万円)
全長:4210mm
全幅:1780mm
全高:1500mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:7.5秒
航続距離:450km
電費:6.1km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1708kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
バッテリー:60.0kWh(実容量)
急速充電能力:130kW
最高出力:218ps/5473-1万1688rpm
最大トルク:30.4kg-m/100-4714rpm
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

この続きは、お手頃EV 12台比較(4)にて。

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みんなのコメント

1件
  • kus********
    ID.3:電費6.9km/kWh
    モデル3:1kWh当たり6.4km。回生ブレーキが、驚くほど有能←高速電費が落ちる意味。
    メガーヌ E-テック・エレクトリック:5.3km/kWh←こりゃ酷いな。
    BYDドルフィン:実際の電費は、さほど良くない。7.0km/kWh←良い方だと思う。
    ジープ・アベンジャー:電費:6.2km/kWh←よいと思うよ。侮りがたし。
    ボルボEX30:5.9km/kWh←悪いね。

    こうしてみると、電費はそのメーカーのバッテリーと制御技術が現れてくるから、日産にようやく追いついたって感じだね。
    この記事を読んで、再認識したのは、アウトランダーPHEVの先代の電費が素晴らしいかったこと。市中でエコモードなら7-9。
    高速電費も6は出た。
    さすがバッテリー専門メーカーGSユアサの子会社製。最大手がちょっかい出したって噂だったが。
    EV時代でも日本は十分に戦えるかも。



※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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